タイミング療法とは
タイミング療法とは、妊娠率を高めるのに最適な日(性交渉をもつべきタイミング)を医師が指導することで妊娠を目指す方法で、不妊治療の中では身体的、金銭的負担も少ない方法です。指導を行う以外は通常の性交渉と変わらず、自然妊娠を期待する方法です。
経腟超音波検査などで排卵時期を予測し、性交渉の時期を医師が指導します。妊娠確率が高いのは排卵直前であり、その時期の性交渉が勧められます。
妊娠率を高めるため、排卵誘発剤を用いた卵巣刺激を行うこともあります。
タイミング療法を何回行ってからステップアップするかについては、これまでのカップルの妊活歴や不妊症の原因、年齢、将来望む子供の数などによっておすすめが変わります。すでにご自身で複数回タイミングを取ってきたにも関わらず妊娠に至らない場合や、女性が35歳以上の場合、卵巣機能が低下している場合などは早期のステップアップをご提案することがあります。
タイミング療法の適応
あらかじめ不妊症のスクリーニングを行い、卵管や精子の状態に問題がない自然妊娠をのぞめるカップルが適応になります。
※治療開始前に男性には精液検査、女性には卵管造影検査を推奨いたします。
妊娠率
原因が分からない不妊症患者において、タイミング療法における1周期あたりの妊娠率はおよそ5%です。
累積妊娠率は6ヶ月でおよそ50%となります。そのため4-6回程度行って妊娠に至らない場合は、別の治療方法をおすすめいたします。
費用について
1周期あたりにかかる費用 :約¥4,700〜¥5,500(保険)
※排卵誘発剤を使用する場合などは別途料金がかかります。
※再診療や調剤量などは含んでおりません。
通院スケジュール
1周期あたりにかかる通院回数 :2〜4回
1回あたりの通院時間:15〜60分(院内の状況によって多少前後する場合がございます)
診察1 月経期の診察
月経が開始して1〜5日目にご受診いただきます。
超音波検査で胞状卵胞(その周期に大きくなる可能性の卵子が入った袋)の数、前周期の卵胞が残っていないか、子宮内膜の厚さを確認します。タイミング療法には、自然周期による方法と排卵誘発剤を使用する方法があります。 後者の場合は排卵誘発剤を処方し、月経5日目からお薬の内服を始めて頂きます。
診察2 卵胞期の診察
一般的には月経周期 –14〜15日をした日が排卵日にあたるので、その頃に来院していただきます。
経腟超音波検査で、卵胞(卵子を包む袋)の大きさを計測、場合によっては血液中・尿中のホルモンを測定することで、排卵日を予測することができます。卵胞の発育(卵胞は1日約2mmのペースで成長し、20mm前後で排卵する)と子宮内膜の厚さ(8-10mmが着床に最適)を確認し、十分卵胞が育っていれば、排卵を促すHCGの注射を打ちます。36〜42時間後に排卵をしますので、注射の翌日にタイミングをとっていただきます。
その後の過ごし方
月経が来た場合、月経が開始して1〜5日目にご受診ください。
2週間待っても月経がこない場合は、ご自宅で妊娠検査薬を行なってください。陽性になりましたら、その1週間後を目処にご予約をおとりください。