妊娠検査薬とは?
妊娠検査薬とは、自宅で手軽に妊娠の有無を確認できる体外診断用医薬品です。妊娠の可能性があると感じたときに、薬局やドラッグストア、インターネットなどで購入し、簡単に検査することができます。
価格はメーカーや包装単位によって異なり、一般的には300〜2000円前後です。
妊娠検査薬のしくみ
妊娠検査薬は、尿に含まれるhCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)の濃度を測定することで、妊娠しているかどうかを判定します。hCGは、受精卵が着床すると胎盤の絨毛という組織から分泌され始め、早ければ生理予定日(妊娠4週)頃から血液や尿中に検出可能となります。
妊娠検査薬の精度(確率)はどのくらい?
妊娠検査薬の精度は、適切なタイミングで正しく使用することで99%以上と言われています。市販の妊娠検査薬は、医療機関で使用されるものと原理は同じで、検査結果にほとんど差はないとされています。
しかし、妊娠検査薬が陽性であっても、正常妊娠を確定するものではありません。検査結果を確認したら、できるだけ早めに医療機関を受診しましょう。
妊娠検査薬はいつから使う?判定可能な時期は?
妊娠検査薬は高い精度を誇りますが、使用するタイミングが早すぎたり遅すぎたりすると、正確な反応が得られないことがあります。より信頼性の高い結果を得るためには、適切な使用時期を見極めることが非常に大切です。
妊娠検査薬は生理開始予定日以降に使用
一般的には、生理予定日から約1週間後(排卵から3週間後)に検査を実施します。
妊娠検査薬は、尿中に含まれるhCGの濃度を測定することで、妊娠の有無を判定します。通常、妊娠していない女性の体からはhCGは分泌されず、非妊娠時のhCGの基準値は0mIU/mLです。妊娠が成立すると、hCGは妊娠4週(生理予定日)頃から検出され始め、生理予定日の約1週間後から分泌量が大きく増えます。
なお、一般的な妊娠検査薬は、尿に含まれるhCG濃度が25 mIU/mL、もしくは50 mIU/mL以上で陽性反応を示します。
妊娠検査薬のフライング検査とは?
フライング検査とは、推奨される検査日よりも早く妊娠検査薬を使用することを指します。多くの場合、生理開始予定日の1週間後が適切なタイミングですが、商品によっては生理予定日から使用可能なものもあります。
妊娠検査薬を使う時期が早いと、hCGの分泌量が規定値に達しておらず、妊娠しているのに判定しにくい薄い線が現れる、あるいは線が出ないといった場合があります。妊娠検査薬で失敗してしまったという方の多くが、使用するタイミングが早すぎる「フライング検査」をしている可能性があるとされています。予定日の思い違いや生理周期の変動により、結果的に検査時期が早すぎると、妊娠していても尿中のhCGが検出可能濃度に達していない可能性も否定できません。
妊娠している場合、hCGの濃度は日ごとに高くなりますので、数日後に再検査するか、または医療機関を受診することをおすすめします。妊娠検査薬で正確な判定を得るためにも、焦ることなく各メーカーが推奨する使用時期を待ちましょう。
妊娠検査薬は遅すぎても良くない?
妊娠検査薬は、尿中のhCGの濃度が高すぎると、正確に判定できないことがあります。
hCGの分泌量は妊娠10週目頃にピークを迎えます。この時期に検査薬を使用すると正しい結果が得られない可能性があります。
不妊治療を受けている場合は?
不妊治療を受けている場合は、基本的に医療機関で妊娠の有無を判定しますが、セルフチェックをすることも可能です。
不妊治療などで排卵日が確定している場合は、排卵日から2〜3週間後に検査してみましょう。
妊娠検査薬の正しい使い方
市販の妊娠検査薬の中でも手に入りやすい、スティック型妊娠検査薬の正しい使い方について詳しく解説します。妊娠検査薬は検査を行う前に、必ず説明書を読んでください。
1. 採尿部に尿をかける
妊娠検査薬は、尿中のhCGをキャッチして妊娠の有無を判定します。検査をするタイミングはどの時間帯でも構いません。
2. 判定が出るまで水平に置く
妊娠検査薬を水平にして置き、判定結果が出るまで待ちます。このとき斜めや縦にして置いてしまうと、正しい結果が得られないこともあるため、検査前に置き場所を確保しておくことも大切です。
ほとんどの検査薬において判定終了の線が出るので、検査が正常におこなわれたことを確認してから手に取るようにしてください。
3. 判定結果を確認する
陽性・陰性のサインは妊娠検査薬により異なりますが、一般的に「判定窓に線が出る」= 陽性 =「妊娠の可能性が高い」となります。
一方、判定窓に線が見られなければ陰性結果となり、妊娠している可能性は低いと判断できます。
判定結果についても勘違いや早とちりすることのないよう、判定まで何分かかるか、正しい検査のやり方・判定結果の見方など、あらかじめ取扱説明書を確認してください。
妊娠検査薬の使用タイミング
妊娠検査薬は、朝、昼、夜、どの時間帯の尿でも検査できます。朝の尿が最も濃く、hCGの濃度も高いことから、朝がおすすめと言われることもありますが、研究により、早朝尿のhCG濃度が高いということはなく、それよりもhCG分泌量と尿中の濃度による個人差が大きく影響すると考えられています。
また、不妊治療などでhCGを含んだホルモン剤の投与を受けている場合、注射後約1週間前後は、妊娠しているかどうかに関係なく、結果が陽性になる可能性があります。正確な診断については、医師にご相談ください。
妊娠検査薬の「偽陽性」判定について
妊娠検査薬は非常に高い精度を誇りますが、それでもその正確性は100%ではありません。正しく使用したにもかかわらず、検査結果が誤っている可能性もあります。妊娠していない場合でも、以下の原因により微量のhCGが分泌されることがあるからです。そのため、まれに妊娠していないにもかかわらず、妊娠していると誤って判定される「偽陽性」となることがあります。
- 尿のかけすぎ
- 不妊治療でhCG製剤の投与をしている
- 流産や中絶後間もない
- 糖尿病や膀胱炎、血尿など尿中に不純物が多い
- hCG産生腫瘍などがある
妊娠検査薬の判定はあくまでも目安です。気になることがある場合は、医療機関を受診して適切な検査を受けましょう。
妊娠検査薬の「偽陰性」判定について
妊娠検査薬は非常に高い精度を誇りますが、それでもその正確性は100%ではありません。正しく使用したにもかかわらず、検査結果が誤っている可能性はあります。妊娠している場合でも、まれに「偽陰性」となる場合があります。主な原因は、検査を行う時期が早すぎることですが、他にも以下の要因が影響することがあります。
- 避妊ピルの服用を止めた直後
- 水分を大量に摂取した
- 多胎児を妊娠している
妊娠検査薬で正しい結果を得るためには、適切なタイミングが重要です。指定された日よりも前に検査を行うことは避けるようにしましょう。妊娠検査薬の判定はあくまでも目安なので、気になることがある場合は、医療機関を受診して適切な検査を受けましょう。
おわりに
トーチクリニックでは、将来妊娠を考えている方向けのブライダルチェックなども提供しています。ブライダルチェックは、将来の妊娠に備えることを目的に、結婚や妊娠を控えたカップルを対象にした健康状態の確認のための検査です。
トーチクリニックは恵比寿駅から徒歩1分の便利な場所に位置し、週7日(平日・土日祝)開院しており、働きながらでも通いやすい環境を提供しています。
医師による診断や治療のカウンセリングに加えて、心理カウンセラーが心理的な負担や人に話しにくい悩みなど、医療での解決が難しい「お困りごと」について一緒に考える機会も提供しています。
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また、ブライダルチェックについての解説記事もご参考ください。