おなかの中の赤ちゃんの存在を、動きとしてはっきりと感じられるのが胎動です。その動きはお母さんに伝わることもありますが、伝わり方にも様々なパターンがあります。
この記事では、胎動とはなにか、いつから始まるのか、どういったパターンがあるのかについて解説します。
胎動ってなに?
胎動とは、お母さんのお腹の中での胎児の動きのことです。その動きがお母さんに伝わり、お母さんからも赤ちゃんの動きを感じ取れることがあります。
胎動はいつから感じる?
胎動を感じられるようになる時期の目安はありますが、その時期には個人差があります。赤ちゃんの成長以外に、お母さんによっても個人差があるのです。
胎動を感じる時期
胎動は、早い人では妊娠16週頃から感じられ始めますが、一般的には20週前後で感じ始める人が多いとされています。
最初の胎動はガスや筋肉の動きと間違えやすく、実際には赤ちゃんが動いていても、「お腹の中で何かが動いたかな?」という感覚にしか感じない場合もあります。
胎動を感じる時期や感じ方には個人差がある
胎動の感じ方や時期に個人差があるのは、初産婦か経産婦か、お母さんの身体つき、胎盤の位置など、さまざまな要因が影響するためです。
特に初産婦は胎動に気づくのが遅い傾向があり、経産婦は以前の経験から早く気づくことが多いとされています。
また、お母さんのBMI(身長と体重から計算される身体つきの指標)が高いと、お腹の脂肪によって胎動を感じにくい場合があります。
それ以外にも、胎盤が子宮の前壁にあると、胎盤がクッションとなり、胎動の伝わり方が和らげられるために感じにくくなるとされています。
このように、胎動の感じ方には個人差が大きいため、胎動の感じ始めにある程度ズレが生じても問題はありません。定期健診をきちんと受け、毎回赤ちゃんの成長を医師に確認してもらうことが大切です。
胎動ってどんな感じ?胎動の感じ方
先に説明した通り、胎動の感じ方などには個人差があります。それだけでなく、妊娠の時期によっても胎動の強さや伝わり方には変化があります。
妊娠1~4か月(妊娠初期)の胎動
妊娠1〜4か月(妊娠初期)は、胎児がまだ小さく、母親が胎動を感じることはほとんどありません。胎児の心臓が動き始め、手足を動かすようになりますが、その動きは微細で母体には伝わりにくいためです。
多くの女性が胎動を感じ始めるのは、妊娠中期に入ってからです。
妊娠5~7か月(妊娠中期)の胎動
妊娠5〜7か月(妊娠中期)は、胎動をはっきりと感じ始める時期です。
子宮が大きくなって羊水の量も増えてくる時期であるため、赤ちゃんが活発に動くようになり、胎動を感じやすくなります。
妊娠8~9か月(妊娠後期)の胎動
妊娠8〜9か月(妊娠後期)では、胎児が大きくなり、子宮内でのスペースが狭くなるため、胎動の動きが激しく感じられます。
胎児は伸びをしたり、子宮を押したりする動きが増え、お腹の内側から「ぐいっ」と押されるように感じることもあります。
動きのスペースが限られるため、回数は減少する傾向にありますが、動き自体は力強く、ときには痛いと感じる場合もあるのが特徴です。
臨月の胎動
臨月は出産が近づく時期で、胎動の感じ方も少し変化します。
胎児が大きくなり動けるスペースが限られてくるため、以前のような大きな動きは減少しますが、「押される」や「突き出す」ような強い動きへと変化するのが特徴です。
赤ちゃんの動きと胎動パターン
胎動の感じ方は、赤ちゃんの動きによっても異なります。赤ちゃんの手足の動きや、身体全体の動き、しゃっくりなどもお母さんに伝わってきます。
手足の曲げ伸ばし(キッキング)
手足の曲げ伸ばし(キッキング)は、胎児が子宮内で足や手を伸ばしたり引っ込めたりする動きです。
お母さんはこの動きを「トントン」や「ドンドン」といった軽い刺激として感じる場合や、お腹の中からグーっと押されるような感じがする場合もあります。胎児の成長に伴い、この動きはより強く、はっきりと感じられるようになります。
手のひらの開閉
赤ちゃんが子宮内で手のひらを開閉する動きは、妊娠後期に見られる胎動の一つです。この動きは、赤ちゃんの神経系や筋肉が発達してくるために可能になります。
赤ちゃんが手をグー・パーと繰り返すことで、お母さんは軽い押し返しのような感覚をお腹の中で感じることがあります。また、お母さんのお腹の皮下脂肪が薄い場合には、赤ちゃんの手足の形を外から見ることができる場合があります。
身体の回旋・回転(ローリング)
赤ちゃんの身体の回旋・回転(ローリング)運動は、妊娠中期から後期にかけて感じられる大きな動きです。この動きは赤ちゃんが子宮内で身体の向きを変える際に起こり、お母さんには「ぐるり」とお腹の中が動くような感覚として伝わります。
妊娠後期に近づいてくると、赤ちゃんが成長して子宮内のスペースが狭くなるため、動きが少し鈍く、ゆっくりとした回転を感じやすくなります。
しゃっくり様運動
胎児のしゃっくり様運動とは、赤ちゃんが羊水を飲み込んだり、横隔膜を動かす際に起こるリズミカルな動きです。
この動きは規則的で、軽い跳ねるような感覚としてお母さんに伝わります。多くの妊婦さんは小刻みにトン、トンとお腹が揺れるように感じることが多いです。
呼吸様運動
胎児の呼吸様運動とは、赤ちゃんが生まれる前に呼吸の練習をしている動きです。
胎児は肺に羊水を取り込んで吐き出すことで、お腹の外に出た後の呼吸の練習をしています。お母さんはこれを小さく規則的な動きとして感じることもありますが、ほとんどの場合は感じにくいとされています。
胎動を感じやすいタイミングや体勢
胎動を感じやすいタイミングや体勢としては、一般的にリラックスしている時が多いとされています。例えば、ソファでくつろいでいるときや就寝前、食事の前後など気持ちがゆったりとしたタイミングに感じやすいです。
また、仰向けに寝ていると赤ちゃんの動きがよりはっきりと伝わりやすくなります。逆に、仕事や家事などで体を動かしているときは、胎動を感じにくいことが多いです。
胎動カウント
胎動カウントとは、赤ちゃんが元気に動いているかを確認する方法で、赤ちゃんの健康状態を把握するのに役立ちます。
胎動カウントは一般的に妊娠28週以降に始めるのが推奨されています。やり方としては、毎日決まった時間、リラックスした状態で左側を下にして横になり、胎動を10回感じるまでの時間を測ります。
あまり神経質になりすぎるのはよくありませんが、普段と様子が違っていたり、それまで確認できていた胎動を全く感じないような場合には、念のため病院へ相談してみるとよいでしょう。
胎動がなくなるのは異常のサイン?
赤ちゃんはおよそ30〜-60分を周期として、起きている状態と寝ている状態を繰り返します。
1時間以上胎動がない場合には、お腹の中で危険な状態になっていることもあります。1時間安静にしていても胎動を感じない場合には、お腹の上から優しく叩き、刺激を送ってみましょう。眠っていた赤ちゃんが目を覚まし、胎動を返してくれる場合もあります。
ただし、胎動に異常がある場合には早めに受診することが重要です。例えば、赤ちゃんの動きが極端に少なくなったり、胎動を1日以上感じない場合は注意が必要です。
胎動カウントで普段のリズムと大きく異なる場合も、異常のサインかもしれません。
胎動に関するよくある質問
Q:胎動が激しく時々痛みを感じる場合があります。大丈夫でしょうか?
胎動は赤ちゃんの体勢や動きの活発具合などで、感じる強さが変わります。日によって強さや頻度が異なる場合があることを知っておきましょう。
臨月が近づくと、赤ちゃんが成長し子宮内でのスペースが狭くなるため、力強い動きが増え、お母さんに痛みを感じさせることがあります。
しかし、明らかにいつもと違う場合や、胎動がほとんど感じられないなどの不安がある場合は、すぐに受診することをおすすめします。
Q:逆子の場合、胎動の感じ方に違いはありますか?
逆子の場合は、そうでない場合に比べて胎動の感じ方が異なることがあります。
逆子の赤ちゃんは頭が上にあり、足が下に向いているため、膀胱や下腹部に胎動を感じることが多いです。
一方で、通常の位置であれば、胎動は上腹部に感じることが多いです。
Q:陣痛中にも胎動はありますか?
陣痛中にも激しい胎動を感じることはあります。
陣痛が始まると赤ちゃんの動きが鈍くなることが多いですが、完全に止まるわけではなく、赤ちゃんが子宮内で動くのを感じることがあります。
Q:お父さんがお母さんのお腹の上から胎動を感じるにはどうしたらよいでしょうか?
お父さんがお母さんのお腹の上から胎動を感じるためには、お母さんにリラックスして静かな場所で仰向けになってもらい、手をお腹に軽く置くのがコツです。胎動を感じることができなくても、お腹を強く押したりするのは避けましょう。
おわりに
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また、ブライダルチェックについての解説記事もご参考ください。