子宮内膜とは
子宮内膜は子宮の内側を覆っている粘膜組織です。その中でも子宮内膜は基底層と機能層の2層構造に分かれていて、子宮の最も内側を覆っている機能層は月経周期に伴って状態が変化し、子宮筋層に接する基底層は月経周期の影響を受けないという特徴があります。つまり、一般的にいわれる子宮内膜の厚さの変化は”機能層”の厚さが変化することによって起こっています。
子宮内膜の厚さが月経周期に伴って変化するのは女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量の影響を受けるためで、エストロゲンの分泌量が多いタイミングで子宮内膜が厚くなります。
子宮内膜の厚さは生理前〜後にともなって変化する
子宮内膜の厚さはエストロゲンの分泌量の影響を受けるため、生理前から生理後の間で大きく変化します。ここでは生理前、生理中、生理後の3つの期間に分けて解説します。
【生理前】
生理前の黄体期と呼ばれる期間はエストロゲンの分泌量が多いため、子宮内膜が最も厚くなっています。
【生理中】
生理が始まるとエストロゲンの血中濃度が低くなり、厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちながら出血(俗にいう経血のこと)するため、生理中は子宮内膜の厚さが最も薄くなっています。
【生理後】
生理が終わると、そこから徐々にエストロゲンの分泌量が増加し、子宮内膜が少しずつ厚くなっていきます。
このようにして、子宮内膜の厚さは月経周期(生理周期)に伴って変化していきます。
子宮内膜の厚さと妊娠との関係性
子宮内膜の厚さと妊娠(受精卵の着床)のしやすさには深い関係があり、子宮内膜が厚いほど妊娠率が上がり、逆に子宮内膜が薄いほど妊娠率が下がる傾向があるという報告があります。子宮内膜がどのくらいの厚さであれば薄いといわれるかについては明確に定められていないですが、一般的には、子宮内膜の厚さが7mmまたは8mm未満だと薄いと定義されることが多いです。そのため、妊娠率を高めるのであれば、子宮内膜の厚さを8mm以上にすることを目指すのもひとつの目安と考えられています。
子宮内膜を厚くする治療については現在も研究が行われていますが、まだ確立された治療法はありません。現状としては、女性ホルモンを増加させたり子宮の血流を改善させる薬物療法や、自己多血小板血漿(PRP)と呼ばれる、患者さん自身の血液から血小板を採取し子宮内に注入するPRP療法といった治療法が、妊娠率を高める効果が期待されています。
子宮内膜が生理以外で剥がれる原因
通常、子宮内膜は生理のタイミングで出血を伴って剥がれますが、生理以外でもホルモンの異常や病気などによって剥がれ落ちて出血することがあります。そのことを不正出血といいます。生理以外で不正出血が起こる主な原因は以下の通りです。
このように不正出血が起こる原因は多岐に渡る上に、実は出血は性器からではなく尿や肛門からだったといったケースもあり、患者さん自身で異常かどうかを判断するのが難しいです。そのため、不正出血が起こり、少しでも気になることや不安な場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします。
特に、痛みを伴っている、症状が2週間以上続いているまたは繰り返し起こるといった場合はなるべく早めに医療機関を受診してください。
おわりに
トーチクリニックでは、将来妊娠を考えている方向けのブライダルチェックなども提供しています。ブライダルチェックは、将来の妊娠に備えることを目的に、結婚や妊娠を控えたカップルを対象にした健康状態の確認のための検査です。
トーチクリニックは恵比寿駅から徒歩1分の便利な場所に位置し、週7日(平日・土日祝)開院しており、働きながらでも通いやすい環境を提供しています。
医師による診断や治療のカウンセリングに加えて、心理カウンセラーが心理的な負担や人に話しにくい悩みなど、医療での解決が難しい「お困りごと」について一緒に考える機会も提供しています。
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また、ブライダルチェックについての解説記事もご参考ください。