妊娠成立の判定
受精卵が着床して妊娠が成立すると、形成された胎盤の絨毛という部分からhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが分泌されます。
このホルモンは尿や血液から検出することができます。hCGは妊娠8~12週にピークに達した後出産まで検出されます。
妊娠判定の時期
torch clinicでは、血液検査を行い30分程度で妊娠判定可能です。
妊娠反応が陽性になった状態を化学的妊娠と言います。
一般不妊治療による妊娠で、排卵日が確定している場合
- 排卵日=妊娠2週0日
- 妊娠4週0日(月経予定日)以降に月経が来なかった場合、市販の妊娠検査薬で判定(hCG値50mlU/mlで反応)
- ご来院いただき、hCG値を血液検査で判定
排卵日が確定していない場合
- 月経予定日の1週間以降から市販の妊娠検査薬で判定
胚移植による妊娠の場合
- 初期胚移植日=妊娠2週3日
- 胚盤胞移植日=妊娠2週5日
- 妊娠4週0日以降にご来院いただき、hCG値を血液検査で判定
hCGの基準値(血清)
妊娠判定から当院卒業まで
妊娠判定からは1-2週間おきに経腟超音波で診察を行っていきます。
胎嚢の確認(臨床的妊娠成立)
妊娠が継続すると胎嚢と呼ばれる赤ちゃんが入った袋が形成されます。
妊娠5週以降を目安に胎嚢を確認します。胎嚢が見えた場合を臨床的妊娠と言います。
胎児心拍の確認
胎嚢が確認されてから約1週間後、妊娠6週以降を目安に胎児心拍を確認します。
流産が最も起きやすいのが妊娠初期とされるため、当院では心拍確認後は1週間毎に胎児の成長を観察しております。
また当院では分娩の取り扱いがありませんので、妊娠7週から妊娠8週頃には、ご希望の分娩施設を医師にお伝え下さい。妊娠9週頃の診察でご希望の産科病院宛の紹介状をお渡しし、転院となります(卒業)。
妊娠期間の定義
一般的に最終月経開始日からカウントし、最終月経日が妊娠0週0日、排卵日が妊娠2週0日になります。
7日を1週と定め、28日を妊娠暦の1カ月とします。
つまり、週数で数える場合は、最終月経日から6日後までを妊娠0週と数え、7日経過するたびに「1週」「2週」と1週ずつ増えていきます。
月数で数える場合は「0~3週」の4週間が1か月となり、4週間経過するたびに「1か月」「2カ月」と1カ月ずつ増えていきます。
分娩予定日は妊娠40週0日のことをいいます。
妊娠37週から妊娠41週までを正期産と言います。この期間に出産に至るのが望ましいです。分娩予定日に出産に至る確率は5%前後と言われています。
分娩予定日について
自然妊娠の場合は妊娠8週から妊娠9週の胎児の頭から臀部までの長さ(頭殿長)を測定し、分娩予定日は確定します。
一般不妊治療(タイミング療法、人工授精)で排卵日が特定されている場合、排卵日を妊娠2週0日として分娩予定日が確定します。
高度生殖医療(胚移植)の場合には、移植した日が着床した日と確定しているので、胚移植した時点で分娩予定日が確定します。
母子健康手帳について
一般的には母子手帳と呼ばれることが多いですが、正式には母子健康手帳と言います。
妊娠経過、出産に関すること、就学時前の子供の成長・発達、予防接種などの母子の健康状態を記録するものです。
母子健康手帳をもらう人
母子健康手帳をもらう際には、保健師・助産師と面談することがあるため、できる限り妊娠した本人がもらいに行くことが望ましいです。本人以外の人がもらう場合には委任状が必要になることが多いです。
母子健康手帳をもらうタイミング
当院を卒業し、分娩施設あるいは妊婦健診を受ける施設に受診するまでの間にもらいに行くようにして下さい。妊娠12週からは妊婦健診が始まります。妊婦健診の際には必ず必要になります。
母子健康手帳がもらえる場所
市区町村の役場、保健センターなどです。
もらえる場所、持参する物、各自治体によって異なるため、事前に各自治体のホームページを確認して下さい。
当院には助産師が在籍しておりますので、不明点などございましたらお気軽にお申し付けください。