つわりとは妊娠初期に多くの妊婦が経験する症状で、吐き気、食欲不振、においに敏感になるなどが特徴です。
本記事ではつわりの種類やそれぞれに伴う症状などを紹介します。また、つわりのピークや症状、つわりがひどい場合の軽減方法について解説します。
つわり(悪阻)とは
つわりとは、妊娠初期に起こる吐き気や嘔吐、食欲低下や胃の不快感といった症状をいいます。妊婦さんのおよそ8割が経験するとされています。妊娠12週以降に改善することが多いですが、重症化すると「妊娠悪阻」に移行する恐れがあり、注意が必要です。
つわりの原因やメカニズムは、まだ完全にはわかっていません。最近では遺伝的要因との関連が示唆されており、現在も研究が進められています。
つわりはいつからいつまで?
つわりは通常、妊娠5〜6週目頃から始まり、12〜16週目頃には落ち着くことが多いですが、個人差があります。
一部の妊婦さんでは20週以降まで続く場合もあり、症状の強さや期間も人によって異なります。つわりのピークは8〜10週目頃が一般的です。
つわりはいつからはじまる?
つわりは妊娠初期の5週目頃から始まり、多くの女性がにおいに敏感になることで気づきます。
普段は気にならない食べ物や香りが急に不快に感じたり、吐き気を催すことがあります。また、特定の食べ物や匂いを嫌うようになることも初期症状として一般的です。
これらの症状は個人差がありますが、妊娠初期に徐々に現れ、ピークを迎えた後、安定期に入ると軽減することが多いです。
つわりのピークはいつ?
つわりのピークは一般的に妊娠8〜12週頃に訪れます。この時期に吐き気や嘔吐、食欲不振が最も強くなり、日常生活に支障をきたすこともあります。
これにも個人差があり、全く経験しない人もいれば、ピークが長引く場合もあります。つわりのピークを過ぎると、多くの人が妊娠中期に向けて徐々に症状が改善していきます。
つわりはいつまで?いつ終わる?
つわりは一般的に妊娠16週から20週頃に終わることが多いです。短い人では12週頃に軽減し、長い人では妊娠後期まで続く場合もあります。
つわりが軽減すると、食欲が戻り、体調が安定することが多いです。ただし、症状が続く場合は医師に相談しましょう。
後期つわりとは
後期つわりとは、妊娠後期(妊娠28週〜)に現われる吐き気や嘔吐、胃の不快感、胸焼けなどの症状をいいます。子宮による胃の圧迫やホルモンの影響がおもな原因と考えられます。
赤ちゃんが大きくなり子宮も大きくなると、妊婦さんの胃腸を圧迫します。すると、胃酸が逆流しやすくなり、胃の不快な症状を招くのです。
また、妊娠後期はプロゲステロン(黄体ホルモン)が増加します。プロゲステロンの影響によって胃や腸の運動機能が低下し、吐き気や嘔吐などが生じやすくなるのです。
なお、後期つわりの和らげ方については、後期つわりとは?吐き気や頭痛の和らげ方についてで詳しく解説しています。
つわりはなぜ起こる?原因について
つわりの原因は、妊娠すると分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)ホルモンの影響が考えられています。しかし、医学的にはまだ明らかにされていません。
妊娠や出産に対する不安など精神的なストレスも要因のひとつとされ、第1子ではつわりがなかったけれど第2子ではつわりが起こるなど、状況によっても異なることがあります。症状や程度、つわりが起こりやすい条件なども個人差があります。
つわりの種類と症状
つわりといっても、さまざまな症状や種類があります。代表的な症状とつわりの種類について解説しましょう。
つわりの種類
つわりは、現われる症状によって以下の種類に分類されます。
- 吐きつわり
- 食べつわり
- においつわり
- よだれつわり
症状や原因をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
吐きつわり
吐きつわりとは、妊娠初期に吐き気や嘔吐が頻繁に起こる状態を指します。
主に空腹時や食事後に症状が現れやすく、体がホルモンの変化に反応して消化機能が低下するためとされています。食事のタイミングや内容によっても症状が悪化することがあります。
食べつわり
食べつわりとは、空腹になると強い吐き気が生じる状態で、少しでも食べ物を口にすると症状が和らぐことが特徴です。
お腹は空くけど食べたくないと感じるかもしれませんが、血糖値の低下や空腹時の胃酸過多が原因であることが多く、食事の間隔を空けないようにすることが有効なことがあります。
においつわり
においつわりとは、特定のにおいに敏感になり、それが原因で吐き気や不快感を引き起こす状態を指します。
普段は気にならない食べ物や香水、タバコの煙などのにおいが急に強く感じられることが多くあります。
よだれつわり
よだれつわりとは、妊娠初期に唾液の分泌が増加し、口の中に唾液が溜まりやすくなる状態を指します。
この症状は、ホルモンの影響や胃の不調によって唾液腺が刺激されることで起こると言われています。食事やにおいの影響を受けやすく、口の不快感を伴うことがあります。
ひどいつわりの軽減・対策方法
つわりがひどいときには対策によってつらさを軽減しましょう。栄養バランスなどが気になるかもしれませんが、つわりの時期はあまり気にしすぎず、食べられるものを食べるので大丈夫です。
ここでは、つわりの種類ごとに軽減、対策の方法をご紹介します。
吐きつわりの軽減・対策方法
吐きつわりがひどいと「また吐いてしまうかも」と思い、何も食べたくないときもあるかもしれません。しかし、空腹が続くと、逆に吐き気が強くなることもあります。吐き気が落ち着いているタイミングで、食べられるものを食べましょう。脱水にならないように、水分補給はこまめにおこなってください。
口の中をさっぱりさせるのも効果的です。果物を食べると、酸味ですっきりする場合もあります。飴をなめたり、ガムを噛むのもよいでしょう。
食べつわりの軽減・対策方法
食べつわりは、空腹時に吐き気があらわれます。できるだけ空腹にならないようにすることが大事です。食事を1日5〜6回に分けて食べると、症状が抑えられる場合があります。
すぐに食べられるおにぎりやクッキー、野菜スティックなどを準備しておくとよいでしょう。
においつわりの軽減・対策方法
妊娠中はにおいに敏感になります。吐き気を招くにおいは避けるようにしましょう。マスクを着用したり、においの少ない冷たい食べ物を選んだりしてみてください。
調理のにおいでつわりが起こる場合は、調理方法の工夫が必要です。レンジで加熱調理する、家族に作ってもらうなどしましょう。
においがこもらないよう、部屋の換気をこまめにおこなうのも効果的です。
よだれつわりの軽減・対策方法
よだれつわりの場合、早く唾液をなんとかしたくなります。すぐにできるのは、よだれを吐き出すことです。ティッシュなどを常備し、吐き出すようにしましょう。歯磨きをしたり、マウスウォッシュでうがいをしたりすると、口の中がさっぱりします。
妊娠悪阻(にんしんおそ)について
妊娠悪阻とは、つわりが悪化して食べたり飲んだりできず、急激な体重減少や脱水症状を引き起こした状態をいいます。
人によっては、頭痛や軽い意識障害、めまいや肝機能障害が現われることもあります。ひどくなると、脱水による血栓症や、ビタミン不足(特にB1)による脳症のリスクもあり、命に関わる状態も引き起こします。体重が5%以上減っているときは、点滴が必要と言われており、1週間に3〜4kgの体重減少がある場合などは注意が必要です。
妊娠悪阻の症状が見られる場合は、すぐに産婦人科を受診してください。我慢すると別の病気を引き起こす恐れがあるので、我慢しないようにしましょう。
つわりに関するよくある質問
Q:つわりに波があります。なぜでしょうか?
つわりに波があるのは、ホルモンバランスの変動や個々の体調の変化が影響しているためです。
特に、妊娠初期に増加するhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)ホルモンの分泌量が変動し、体内の環境が影響を受けやすくなることが一因とされています。また、疲労やストレスなどの外的要因も症状に波を生じさせます。
Q:つわりで夜眠れません。どうしたらいいですか?
つわりで眠れない場合、枕を高くして寝る、少しの間食を取る、リラックスできる呼吸法やアロマを試すなどが効果的です。
また、寝る前の軽いストレッチもおすすめです。症状が続く場合は、医師に相談することが大切です。
おわりに
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また、ブライダルチェックについての解説記事もご参考ください。