基礎体温(BBT)について
概要
- 一定時間(4~5時間)以上の睡眠後の起床時、安静な状態で測定した体温をさします。
- 基礎体温を連日記録すると曲線が描かれます。
0.3℃以上上昇した日が高温期1日目と定義されます。排卵前の「低温期」と排卵後の「高温期」と、基礎体温が2相性になっていれば排卵がおき黄体が形成されたことを意味します。
高温期について
卵胞は排卵して黄体になります。排卵後の黄体から産生されるプロゲステロン=黄体ホルモンが基礎体温を上昇せます。(黄体形成ホルモンはLHなので、混同しやすく注意)
排卵日のふりかえりについて
休温の陥落日を中心として、低温から高温相へ移行する数日の間に排卵が起こっていると推定されます。基礎体温は環境因子に左右されることも多く、基礎体温のみから排卵日を前方視的に特定することはできません。
不妊治療において基礎体温測定は必須ではない
基礎体温測定は「排卵が起きているかどうかを自身で知る指標」になります。
そのため測定した方が良い、という説が一般的ですが、不妊治療の扉を叩いた女性には却ってプレッシャーがかかって治療への心身的負担を大きくするケースが珍しくありません。測定することで自身の体と向き合う意識づけになるものですが、振り返って排卵日がいつだったか分かるものなので「とらわれすぎないこと」が重要です。超音波検査を受けていただければより正確に排卵日の予測ができます。排卵日の特定に最も優れており、前方視的に予想できるのは経腟超音波と排卵チェッカーです。
目的
- 排卵性を有しているかの判定
- 排卵期の後方視的推定 ※自然周期の凍結融解胚移植(FET)周期の排卵日の特定に有用
- 黄体機能不全症の診断
- 妊娠の早期発見
必要物品
- 基礎体温表(記録用紙 or アプリ)
- 婦人科体温計
方法
- 就寝前に体温計を枕元に置き、毎朝目を覚ましてすぐに(起き上がる前)口の中(舌下)で検温する。(デジタルは電子音が鳴るまで)※同時刻に体温を測定する。
- 測定値を基礎体温表に記録する。
- 風邪やその他の病気に罹った時、旅行・睡眠時間が平常より少ないとき、その他異常があるときは、その旨を備考欄に記載しておく。
- 連日測定し、測定を忘れてしまった時は、欄を空白とし翌日とは実線で結ばない。