妊娠週数や出産予定日の計算方法を詳しく解説。基礎的な数え方から、妊娠の進行に合わせた計算方法まで、わかりやすく説明します。
妊娠週数・月数の数え方
一般的に妊娠時期は「 ◯週 ◯日 」や「 ◯か月 」として示されます。
- 妊娠週数
妊娠前の最後の月経が始まった日を0週0日として数えます。 0週6日まで数え、その翌日は1週0日として数えます。 - 妊娠月数
0週0日から3週6日までの4週間を妊娠1か月として数えます。 ただし、生理周期の個人差や受精時期のずれにより、妊娠の週数や月数が正確ではないことがあります。また、超音波検査による赤ちゃんの発育状況から予定日が修正されることもあります。
分娩予定日の計算方法
臨床の現場においては、妊娠期間とは最終月経の初日から分娩までの間を指します。最終月経開始日を妊娠開始とする理由は、実際に受精した日時が特定できないためです。そのため、分娩予定日の計算も、最終月経の初日を基点にして行います。たとえば、最終月経の初日が1月1日であれば、分娩予定日は妊娠280日後(40週0日)の10月7日になります。
最終月経や排卵日がわからない場合
最終月経や排卵日がわからない場合には、超音波検査で胎児の大きさを調べることにより、推定妊娠週数を計算できます。通常は妊娠8-10週を目安として、胎児の頭殿長(CRL、頭の先からお尻までの長さ)から妊娠週数を推測します。妊娠週数が増えてくると、胎児の発育に個人差がみられやすくなります。妊娠8-10週における頭殿長には個人差が少ないとされており、この時期を目安に推測・修正が行われます。
妊娠期間の区分における赤ちゃんの発育過程と母体の変化
妊娠期間は初期・中期・後期と3つの区分に分けられています。
ここでは各区分における赤ちゃんの発育過程と母体の変化をカレンダー形式で解説します。
妊娠初期のカレンダー
妊娠中期のカレンダー
妊娠後期のカレンダー
妊娠検査薬を使用するタイミング・注意点
妊娠検査薬は、尿中のヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)というホルモンを検出しています。このホルモンは、受精卵が着床して直ぐに産生され、妊娠維持に促進的に働きます。通常、妊娠中にのみ著しく産生されるため、尿中のhCGを検出する事で妊娠を早く知る事が出来ます。尿中hCGは妊娠5~6週で急速に上昇しはじめ、8-10週でピークとなり、その後下降して20週~分娩まで高値を維持します。市販の妊娠検査薬の感度は妊娠3週で85.7%、妊娠4週で100%であるという報告があるため、正確な検査を行うには、妊娠4週以降に行うのが望ましいとされています。
また、妊娠検査薬で陽性となった場合でも、妊娠の確定診断とはなりません。例えば、異所性妊娠(子宮外妊娠)の場合でも、妊娠検査薬では陽性となるためです。妊娠の確定診断には、病院で超音波検査を受ける必要があります。
市販検査薬は手軽に購入でき、簡便に検査が出来ますが、以上のような検査上の性質や検査結果の意味を理解して利用するようにしましょう。
産婦人科を受診するタイミング
妊娠の兆候として、一番自覚しやすいのは生理の遅れです。生理周期は正確な方で25~38日前後ですが、1週間程度遅れたからといってすぐに受診する必要はありません。生理周期が規則的であれば、生理が来るのが1週間遅れた頃に市販の妊娠検査薬を使うといいでしょう。妊娠検査薬で陽性反応が出たら、必ず病院を受診して妊娠の確定診断を受けてください。
関連してよくある質問
出産予定日はいつわかる?
最終月経開始日が分かる場合は先述の通りすぐに出産予定日を計算することができます。もし最終月経開始日が分からない場合には胎児の頭臀長を計算して出産予定日を算出します。
詳しくはこちらの記事をお読みください。
妊娠判定と予定日の確定について | 東京渋谷区の不妊治療専門クリニック torch clinic(トーチクリニック)
出産予定日がずれるのは良くない?
出産予定日を過ぎても陣痛が来ないと不安になってしまいますが、予定日はあくまでも目安であり、妊娠40週0日に一律に設定されています。この予定日にピッタリ生まれてくることはほとんどありません。分娩は37週から41週が正期産です。検診を受けながら、あせらず焦らずリラックスして過ごしましょう。
人工授精・体外受精・胚移植の場合の出産予定日は?
一般不妊治療(人工授精)や体外受精の場合には出産予定日の算出の仕方が特殊になっています。詳しくは以下の記事をご覧ください。
妊娠判定と予定日の確定について | 東京渋谷区の不妊治療専門クリニック torch clinic(トーチクリニック)
NIPT(非侵襲的出生前遺伝学的検査)を受けられるタイミングは?
NIPTとは、胎児が染色体疾患をもつ可能性をみるための検査です。検査対象となる染色体疾患は21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーです。妊娠10週~16週の妊婦さんから10mlの血液を採取して、血液中に浮遊している胎児胎盤由来のDNAを分析します。検査の結果が『陽性』となった場合、その疾患の可能性が高いことを意味しますが、NIPTは非確定的な検査ですので、診断が確定するわけではありません。実際にはその疾患ではない場合もあります。診断を確定するためには、妊娠16週以降に羊水染色体検査を行います。
おわりに
トーチクリニックでは、医師による診断や治療のカウンセリングに加えて、心理カウンセラーが心理的な負担や人に話しにくい悩みなど、医療での解決が難しい「お困りごと」について一緒に考える機会も提供しています。
恵比寿駅から徒歩1分の便利な場所に位置し、週7日(平日・土日祝)開院しており、働きながらでも通いやすい環境を提供しています。
不妊治療にご関心のある方は、お気軽にご相談ください。ご予約はウェブからも受け付けております。
また、すでに不妊治療を受けている方々のお悩みやセカンドオピニオンにも対応しております。セカンドオピニオンを含めたクリニックへのよくあるご質問はこちらをご参考ください。