妊娠初期症状とは生理の遅れやつわり、胸の張りなどを指します。これらの症状は個人差が大きく、風邪や生理前症状と似ているため判別が難しい場合もあるでしょう。この記事では妊娠初期症状の特徴や見分け方、妊娠検査薬の使用時期など、妊娠の可能性を感じたときの適切な対応について解説します。
妊娠初期症状とは
妊娠初期症状とは、妊娠によるホルモンバランスの変化で起こる体調の変化や兆候のことです。現れる症状や時期には個人差があり、妊娠超初期から妊娠初期にかけてさまざまな症状が現れます。
主な妊娠初期症状
主な妊娠初期症状は生理の遅れです。他にも吐き気や嘔吐、胃部の不快感といったつわり症状、下腹の張りや腰の重さ、便秘などが現れます。症状の程度によっては普段通りに家事や仕事ができなくなる方や、症状が重い場合は入院での治療が必要な場合もあります。
ただし、これらの症状は妊娠初期症状特有のものではなく、消化器系の風邪や生理前の症状と似ているため判別が難しい場合もあるでしょう。個人差が大きいことも特徴的であるため、妊娠の可能性をより正確に把握するために複数の症状を総合的に判断することが重要です。
妊娠中の期間区分
妊娠期間の週数は、妊娠前の最後の生理初日から数えていきます。
妊娠初期と妊娠超初期の違い
妊娠初期とは妊娠0週(最終月経の開始日)から13週6日までを指し、その中でも妊娠3週頃までの期間を妊娠超初期と呼ぶことがあります。週数によって区別して呼ぶ場合もありますが、「妊娠超初期」は正式な医学用語ではありません。
妊娠検査薬で陽性反応が出ない段階でもホルモンバランスの変化により、おりものの量や色が変化したり、眠気やだるさ、食欲不振や食欲旺盛など、いつもと異なる症状を感じることもあるため、体調の変化を感じたら無理なく過ごすことが大切です。
妊娠超初期症状については以下の記事でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
関連記事:妊娠超初期症状があらわれる時期や主な症状|妊娠の可能性があるときの注意点や病院を受診するタイミングについても解説
妊娠初期症状は性行為後いつから?

妊娠初期症状は、性行為後に受精から着床のプロセスを経た後、約2週間ほどで現れるのが一般的です。
ただし、個人差があるため、もっと早く感じる人もいれば、遅れる場合もあります。症状を感じない場合もあるようです。排卵、受精、着床の流れと、それぞれの期間の目安は以下の通りです。
- 排卵:排卵は通常、月経周期の約14日前に起きます。卵子が受精できるのは、排卵後約24時間以内です。
- 受精:排卵後24時間以内の卵子と精子が卵管で出会って受精が起こります。精子は女性の体内で約3〜5日間生きているので、排卵前の数日と排卵直後の性行為は受精の可能性が高いタイミングです。
- 着床:受精卵は約5〜6日かけて卵管から子宮に移動し、子宮内膜に着床します。着床は受精後7〜10日後に起きることが一般的です。
妊娠初期症状のチェックシート

妊娠初期症状は、さまざまな症状があり症状の感じ方には個人差があります。妊娠を維持するための体内のホルモンの変化や体の変化が、これらの症状の主な原因です。ご自身の体調と照らしあわせてみて、妊娠検査薬の使用や、病院に検査に行く前の参考にしてください。
- 生理が来ない
- おりものが変化する
- 少量の出血がある(着床出血)
- 腰痛が起こる
- 下痢もしくは便秘になる
- トイレが近くなる(頻尿)
- 腹部の違和感がある(お腹の痛み・張り・ガス溜まり・おなら)
- 頭痛が起こる
- 眠気や体のだるさがある
- 微熱が続く
- 胸の張りや痛みがある
- つわりによる吐き気や胃のむかつき、胃痛、げっぷなどが起こる
- 体のむくみがあらわれる
- 肌荒れや吹き出物など肌トラブルが起こる
- 味覚や嗅覚が変化する
- めまいやふらつきがある
上記のそれぞれの症状について詳しく解説します。
生理が来ない
生理予定日になっても、生理が始まらないのは妊娠初期症状のひとつです。受精卵が子宮内膜に着床すると、妊娠が成立して生理が止まります。
予定日より一週間過ぎても生理が来ない、生理が来ないだけでなく、他の妊娠初期症状も感じる場合には、妊娠検査薬の使用や病院の検査を受けるようにします。
おりものが変化する
妊娠初期には、おりものに次のような変化がみられます。個人差があるので、変化がないケースもあります。
- 量が増える
- 粘り気がなくサラサラした状態になる
- 色が白く濁る、黄色っぽくなる、クリーム色になる
- においがする
- 着床出血によって、ピンク色や茶色っぽい色になる、部分的にそのような色がまじる
このような変化が起きる原因は、妊娠を維持するためのホルモンバランスの変化や感染を予防するための体の反応です。
少量の出血がある(着床出血)
妊娠初期に「着床出血」による少量の出血を認めることがあります。着床出血とは、受精卵が子宮内膜に着床する際に起きる少量の出血です。
受精卵が子宮内膜にしっかりと付着するために、内膜の一部に傷を付けて出血することがあります。妊娠初期の出血は妊娠した女性の15〜25%程度で認められる報告があり、妊娠3〜4週頃のタイミングで起こることが多い現象です。
生理開始時期と重なる時期に起こることが多いため、生理と間違えられることもあります。出血量は生理の量よりも少なく、色はおりものにピンクや茶色がまじっている程度で数日以内に自然に止まります。
なお、生理のような出血や強い腹痛がある場合は流産や他の病気の可能性も考えられるため、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
着床出血について詳しくは下記の記事をご覧ください。
関連記事:着床出血はいつ起こる?色や量と生理との違いについて解説
腰痛が起こる
腰痛は妊娠初期から妊娠期間を通じて、多くの女性が経験する症状です。次のような複数の原因があります。
- ホルモンの変化: 妊娠中、リラキシンというホルモンが分泌され、骨盤周辺の靭帯や関節が柔らかくなります。靭帯や関節が柔らかくなるのは、赤ちゃんの頭が産道を通りやすくするための変化です。これにより、腰に負担がかかりやすくなり、痛みを感じることがあります。
- 体重の変化: 妊娠が進むにつれて体重が増加し、腰や背中に負担がかかります。初期段階でも体の重心が変わることで、腰痛が引き起こされます。
- 姿勢の変化: 子宮が大きくなると体のバランスが変わり、無意識に姿勢が悪くなることがあります。これが腰痛の原因になっています。
また、つわりで思うように動けなかったり、仕事で長時間デスクワークや立ち仕事をしていたりすると、腰痛を悪化させる可能性があります。
下痢もしくは便秘になる
妊娠するとホルモンバランスの変化で、腸の動きが過敏になり下痢になったり、逆に鈍くなって便秘になったりします。また、妊娠して、食事の量や好みが変化して、胃腸の調子に影響している場合もあります。
食物繊維や水分を意識して摂取することなどをおすすめします。下痢や便秘が続くと体に負担がかかるので、症状が続く場合には医師に相談するようにします。
トイレが近くなる(頻尿)
妊娠初期の頻尿は、ホルモンバランスや血液量の変化が原因で起こることが多く、通常は心配する必要はありません。受精卵が子宮に着床すると、プロゲステロンというホルモンが増加し、膀胱の筋肉を緩めるため、尿意を感じやすくなります。
妊娠に伴い子宮への血流が増え、膀胱が圧迫されたり刺激されたりすることで、頻尿が生じます。
腹部の違和感がある(お腹の痛み・張り・ガス溜まり・おなら)
妊娠初期の腹部の違和感には、お腹の痛みや張り、ガス溜まりやおならなどがあり、主に以下の原因で起こります。
- 着床や子宮の成長による変化:受精卵が子宮内膜に着床する際に下腹部に痛みを感じることがあります。妊娠により子宮は収縮を繰り返しながら成長するので、ギュッとお腹が絞り込まれるような痛みを覚えることもあります。
- ホルモンによる消化機能の低下:妊娠によるプロゲステロンの分泌増加によって腸管運動が抑制され、便秘や消化不良が起こりやすくなります。他にも、子宮が大きくなるにつれて腸管の圧迫も加わり、腸内にガスが溜まりやすくなるため、お腹の張りやおならの症状が現れやすくなります。
これらの腹部の違和感は、通常軽度で一時的なものですが、強い痛みや違和感が続く場合には、早めに医師に相談してください。
頭痛が起こる
頭痛は妊娠初期の主な症状のひとつで、ホルモンの変化や血液量の増加などが主な原因です。
また、妊娠中の疲労や脱水や低血糖など、ほかの体調不良から頭痛になることもあります。
軽い頭痛は、休息や十分な水分補給で緩和されることが多いのですが、強い痛みや長く続く場合は、医師に相談することが大切です。
眠気や体のだるさがある
妊娠初期に感じる眠気や体のだるさは、ホルモンバランスの変化やエネルギー消費の増加などが主な原因です。妊娠初期には、プロゲステロンというホルモンが急激に増加します。プロゲステロンには鎮静効果があり、体が自然に眠気を感じやすくなります。
また、胎児の成長を支えるために、体が多くのエネルギーを消費します。このエネルギー消費が増えることで、体が疲れやすくなり、だるさを感じることが増えます。このような体の変化によって睡眠の質が低下することもあるので、無理をせずに休息をしっかり取るよう心がけましょう。
微熱が続く
妊娠初期には、ホルモンの影響で体温が上がって微熱が続くことがあります。妊娠後にプロゲステロンというホルモンが増加するのですが、このホルモンには体温を上げる作用があります。体温が通常より0.3〜0.5℃程度上がって37℃前後の微熱になります。
基礎体温の高さにも個人差があるので、微熱が続く、高い平熱が続くなど、症状はさまざまです。
胸の張りや痛みがある
妊娠初期には、プロゲステロンの増加により乳腺組織の発達が促され、胸の張りや痛みなどを感じることがあります。妊娠4週目頃から症状が現れ始め、6〜8週目頃に強く感じることが多いです。
胸や乳首が敏感になり、布や軽い接触でも不快感や痛みを覚える方もいらっしゃるでしょう。また、乳輪にモントゴメリー腺という小さな凹凸が現れる場合もあります。胸の張りや痛みを感じたら下着のサイズを見直したり、胸のサポートがしっかりしたものを選んだりすることで、症状を和らげられます。
妊娠初期の胸の張りについては以下の記事で詳しくまとめているので、併せて参考にしてください。
関連記事:妊娠初期の胸の張りについて|いつからいつまで続く?張りがなくなったら心配?
つわりによる吐き気や胃のむかつき、胃痛、げっぷなどが起こる
つわりによる吐き気や、胃のむかつき、胃痛、げっぷなどの消化器症状も妊娠初期の代表的な症状です。
つわりの原因はまだ明確になっていませんが、最近では赤ちゃんから作られるGDF15というホルモンが関連している可能性が指摘されており、この物質の値が高くなると吐き気などの症状があらわれる場合が多いとされています1)。
胃のむかつきやげっぷなどの消化器症状は、妊娠によるプロゲステロンの増加によって消化管の運動性が低下することとも関連があると考えられています2)。
つわりは妊娠6週目頃から始まって8〜12週頃にピークを迎え、徐々に落ち着いていくのが一般的です。症状の程度や期間には大きな個人差があり、軽い胃の不快感程度の方もいれば、頻回な嘔吐や水分を摂取できないほど重い症状に悩まされる方もいます。
食事や水分が摂れない場合は脱水状態に陥る可能性もあるため、症状がひどい場合は我慢せずできるだけ早く病院を受診して適切な治療を受けることが重要です。
体のむくみがあらわれる
妊娠初期には、足や足首、顔、手など、体のむくみを感じることがあります。ホルモンの変化や体内の血液量が増加して、体内で水分を保持しやすくなることが主な原因です。
軽度のむくみは問題ありませんが、むくみが急激に増加したり頭痛などを伴う場合には妊娠高血圧症候群などの兆候かもしれないので、医師に相談するようにします。
肌荒れや吹き出物など肌トラブルが起こる
妊娠初期には、皮脂の分泌が活発になって吹き出物ができたり、逆に乾燥がひどくなったりといった肌荒れや肌トラブルが生じることがあります。やはり、これも妊娠初期のホルモンバランスの影響が主な原因です。
これまで問題なく使っていたスキンケア製品が肌に合わなくなるという方も少なくないようです。また、妊娠中にシミが増えたというような声もよく聞かれます。肌トラブルがひどい場合には、皮膚科や婦人科の医師に相談してみましょう。
味覚や嗅覚が変化する
ホルモン分泌の急激な変化により、妊娠初期には味覚や嗅覚が変化することがあります。妊娠中の味覚について調べた研究では、とくに妊娠初期に味覚が鈍くなるとの報告があります。
こういった味覚の変化により、これまで好きだった食べ物の味が薄く感じられたり、食べ物の好みが変わったりすることがあります。他にも嗅覚が敏感になる場合が多く、普段は気にならない匂いを強く感じたり、料理の匂いで気分が悪くなったりすることも少なくありません。
めまいやふらつきがある
立ち上がったときや、体を動かして作業をしている場合に、めまいやふらつきを感じることがあります。妊娠中は血液中の赤血球やヘモグロビンの需要が増加しますが、特に妊娠初期には体内での鉄分や栄養素の供給が不足しがちです。
そのため鉄分不足で貧血になって、めまいやふらつきを感じたりします。また、ホルモンの影響で血管の収縮が起きて血圧が低下することや、つわりの影響で食事がとれないなども、めまいやふらつきの原因となります。
妊娠初期症状が起こる原因
妊娠初期症状は、受精卵の子宮内膜への着床とそれに伴うホルモンバランスの変化が主な原因です。
前述のとおり、つわりの原因はGDF15というホルモンが関連している可能性が指摘されています。この物質の値が高くなると吐き気などの症状があらわれる場合が多く、つわりの症状に関連していると考えられるようになりました1)。
妊娠初期にはエストロゲンの分泌も増加します。エストロゲンは乳腺組織の発達や子宮内膜の維持を促進するため、胸の張りや痛みの原因となります。また、プロゲステロンも増加することにより腸管運動が抑制され、便秘やお腹の張りといった消化器系の不調を引き起こします。
妊娠初期症状の種類によっては原因が明確にされていないものもありますが、これらのホルモンバランスの変化によりさまざまな症状が現れるのです。
妊娠初期症状と他の体調変化の見分け方
妊娠初期症状は風邪症状や生理前症状と似ているため、正確に判別することは難しいです。それぞれの特徴的な症状や見分けるポイントを理解することで、妊娠の可能性をより適切に判断できるようになります。
妊娠初期症状と風邪の違い
妊娠初期症状と風邪は似た症状が多く、判別が難しい場合があります。正しく判断するために各特徴を理解しましょう。
- 似ている症状:頭痛や微熱、倦怠感や疲労感などは妊娠初期と風邪を引いたときの両方で現れる可能性があります。妊娠するとホルモンの影響で「高体温」になるため、風邪でも妊娠でも微熱が出ることがあります。
- 風邪特有の症状:咳や鼻水、鼻づまり、急激な発熱などは風邪症状といえます。
- 妊娠初期特有の症状:生理の遅れや胸の張りなどは妊娠初期特有の症状です。
これらを見分けるためのポイントとして重要なのは生理の遅れです。風邪症状がなく妊娠初期特有の症状がある場合は、妊娠の可能性を考えて妊娠検査薬の使用や病院の受診を検討しましょう。
妊娠初期症状と生理前症状の違い
妊娠初期症状と生理前症状の主な違いは、高温期の長さです。生理前の高温期は通常約2週間のところ、妊娠している場合の高温期は2週間以上続きます。
胸の張りや腹部の違和感、倦怠感などの症状は、生理前でも妊娠している場合でもホルモンバランスの変化が原因で出現するため、これらの症状のみで妊娠を判断することは難しいでしょう。そのため、より確実に見分けるためには普段から基礎体温を測定することが有効です。
その他にも嗅覚の変化やつわり症状、生理とは異なる少量の出血などが認められた場合は、妊娠検査薬の使用や病院での検査をおすすめします。
妊娠初期症状を感じたら行うとよいこと
妊娠初期症状を感じたら、基礎体温の測定や妊娠検査薬によるチェック、医療機関への受診により妊娠の可能性を確認していきましょう。
基礎体温を確認する
基礎体温は女性の体の変化を知る際の欠かせない情報です。そのため、妊娠を希望している場合は妊娠前から基礎体温を測定するようにしましょう。
通常、生理前の高温期は約2週間で終わるところ、妊娠している場合は2週間以上続きます。普段から基礎体温をつけていれば、高温期の継続により早い段階で妊娠の可能性に気づけるでしょう。
基礎体温は毎朝同じ時間に測定することが大切です。体温の微細な変化を正確に把握するため、基礎体温計を使用しましょう。
妊娠検査薬でチェックする(生理予定日の1週間後より)

妊娠検査薬は生理予定日の1週間後から使用することで正確性の高い結果が得られます。これは妊娠時に分泌されるhCGが検出可能な濃度に達するまでに時間がかかるためです。
市販の妊娠検査薬は尿を採尿部にかけて数分待つと結果が分かります。ただし、早すぎるタイミングで検査しても正しい結果が出ない可能性があるため、適切な時期に検査することが重要です。
結果に疑問がある場合や何か症状がある場合などは、数日後に再検査するか病院を受診することをおすすめします。
妊娠検査薬について詳しくは下記の記事をご覧ください。
関連記事:妊娠検査薬はいつから反応する?使い方や妊娠判定まで解説
妊娠検査薬で陽性反応が出たら医療機関を受診する
妊娠検査薬で陽性反応が出た場合は、妊娠の確定診断と健康管理のためにできるだけ早く医療機関を受診しましょう。また、検査結果が陰性でも生理が来ない場合や妊娠初期症状が現れている場合も受診することをおすすめします。
受診の際は、最終月経日の情報や基礎体温の記録などを準備しておくとよいでしょう。妊娠が確定した場合、今後の検診スケジュールや生活上の注意点についての案内があります。
妊娠の可能性がある場合の生活上の注意点
妊娠の可能性がある場合は、胎児や母体への影響を考慮して生活することが大切です。以下のような点に気を付けながら過ごしましょう。
- 感染症の予防を徹底する:手洗いやうがいを心がけることや人込みを避けるなど、基本的な感染対策を行いましょう。妊娠中は免疫力が低下しやすく、妊娠期に罹った感染症が胎児に影響を及ぼす可能性があります。
- 飲酒や喫煙を止める:アルコールやニコチンは胎児の発育に深刻な影響を与える可能性があるため、妊娠の可能性がある時点で止めましょう。
- 自己判断で市販薬を服用しない:薬の成分が胎児に影響する場合があるため、服用が必要な場合は主治医や薬剤師に相談してからにしましょう。
- 激しい運動を避ける:妊娠の経過が正常であれば適度な運動は問題ありませんが、転倒するリスクが高いスポーツや激しい運動は控えましょう。
- 乗り物の運転に注意する:思わぬ事故に巻き込まれたり、急ブレーキによってお腹に衝撃が加わる危険があります。可能であれば運転を控えることも検討しましょう。
- 性行為は体調を考慮する:出血や腹痛がある場合は控え、体調に配慮して行いましょう。感染症や精液による子宮収縮などを予防するため、コンドームを使用するといった工夫も必要です。
妊娠初期に気を付けることについて、詳しくはこちらをご覧ください。
関連記事:妊娠初期に気をつけることは?日常生活・食べ物・仕事など解説!
妊娠初期症状に関連するよくある質問
妊娠初期症状について多くの方が疑問に感じる事柄について、代表的な質問とその回答についてご紹介します。
Q:性行為1週間後に体調が悪いのは妊娠初期症状ですか?
性行為1週間後の体調不良は妊娠初期症状である可能性はあります。通常、受精してから約5〜7日後に着床が始まり、受精から12日後頃に着床が完了するため、性行為から1週間程度で着床による体調の変化を感じることは理論上あり得ます。
ただし、妊娠初期症状の現れ方や感じ方の個人差は大きく、全ての人に現れるわけではありません。体調不良が妊娠によるものかどうかを判断するためには、生理予定日の1週間後以降に妊娠検査薬を使用するか、医療機関を受診することをおすすめします。
Q:妊娠初期症状に喉の痛みはありますか?
妊娠初期に喉の痛みや違和感を感じる方もいます。原因のひとつとして、女性ホルモンバランスの変化により、喉の粘膜がむくんで違和感を感じるなどの可能性が考えられます。
ただし、喉の痛みは風邪でも起こる症状であるため、喉の症状のみで妊娠を判断することはできません。他の妊娠初期症状を合わせて総合的に判断し、気になる場合は医療機関を受診しましょう。
Q:妊娠初期症状がないことはありますか?
妊娠初期症状がないことは珍しい現象ではありません。どのような妊娠初期症状が出るかには個人差があるのと同様に、妊娠初期症状の感じ方にも大きな個人差があります。
妊娠初期症状がない場合でも、基礎体温の変化や生理が来ないことなどが妊娠の可能性を知る判断材料となります。高温期が2週間以上続いている場合や生理予定日が過ぎても生理が来ない場合は、妊娠検査薬で調べてみたり医療機関を受診したりしましょう。
Q:思い込み妊娠(想像妊娠)で妊娠初期症状と似た症状が起こりますか?
思い込み妊娠(想像妊娠)では、実際の妊娠初期症状と似た症状が現れることがあります。これは「妊娠したい」と強く願ったり、「妊娠かもしれない」と思い込んだりすることで起こる現象です。
ホルモンバランスや自律神経は脳がコントロールしており、心理的状態が身体的状態にも影響を与えます。その結果、生理の遅れや吐き気など妊娠初期症状と似たものが現れることがあるのです。
想像妊娠による症状と実際の妊娠を判別するためには、妊娠検査薬の使用や医療機関での検査が重要です。
おわりに
参考文献
1)Fejzo M, Rocha N, Cimino I, et al. GDF15 linked to maternal risk of nausea and vomiting during pregnancy. Nature. 2023;625(7996):760-767.
https://www.nature.com/articles/s41586-023-06921-9
2)MSD株式会社. 妊娠の生理. MSDマニュアル プロフェッショナル版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/18-%E5%A9%A6%E4%BA%BA%E7%A7%91%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E7%94%A3%E7%A7%91/%E5%A6%8A%E5%A9%A6%E3%81%B8%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%81%E3%81%A8%E5%87%BA%E7%94%9F%E5%89%8D%E3%82%B1%E3%82%A2/%E5%A6%8A%E5%A8%A0%E3%81%AE%E7%94%9F%E7%90%86