当院の培養室について

最終更新日時:
2023-10-04
医師
医師
torch clinic医師

培養室スタッフ

患者様からお預かりしている、卵子・精子・胚(受精卵)を取り扱う技術師たちは「胚培養士:エンブリオロジスト」と呼ばれています。当院には現在6名の胚培養士が在籍しています(2022年6月時点)。6名全員が日本卵子学会が認定している「生殖補助医療胚培養士」の資格を保有しており、これまで他のクリニックや大学病院において室長や副室長を担っていた培養士が多く在籍しております。

患者様の妊娠・出産のお手伝いができるよう、質の高いあたたかみのある医療を提供致します。

培養室

当院の培養室内は卵子に有害な紫外線を避けるために、LED照明を採用しています。また室内に窓はなく、日光が直接入ってこない構造になっています。培養室内では清浄度を保つために、外部から埃、細菌、粒子などが侵入しないよう、高性能フィルター(HEPAフィルター)による強制換気を行い、同時に室内を陽圧に保つようにしています。

機器

クリーンベンチ

卵子や受精卵の清潔操作はこのクリーンベンチ内で行います。当院では最新型のクリーンエアー吹き出しモデル(ガラス扉撤廃モデル)を、国内で先駆けて導入しています。ステージ作業部のフルフラット化や操作部タッチパネル式が特徴であり、従来品と比べてより清潔を保ちやすくなっています。

精子調整作業台

精子の調整を行う作業台です。生物顕微鏡で精子の濃度や運動率を測定します。人工授精や体外受精の精子調整は遠心分離機を用いて良好精子を回収します。

倒立顕微鏡

倒立顕微鏡では卵の観察や顕微授精(ICSI)などを行います。当院での顕微授精(ICSI)は、「Conventional-ICSI」と「Piezo-ICSI」の2種類の方法で行います。

インキュベーター

インキュベーターは卵子や受精卵を培養する機器です。庫内は暗所であり、温度・酸素濃度・二酸化炭素濃度を一定に保ち、受精卵が発育する生体内の環境を模倣しています。

凍結タンク

凍結した卵子・精子・受精卵はこちらの凍結タンクに保存します。当院では、作業台の下にオーダーメイドのタンク毎の仕切りを設置し、チェーンをつけることによって地震などによるタンクの転倒防止対策をしています。

アラーム監視システム

このアラーム監視システムは、インキュベーターの温度・ガス濃度を記録し、異常発生時にはスタッフにメールを送信する機器です。万が一夜間など培養士が不在の時に異常が発生しても、培養士宛にアラーム通知が発信されるため、スタッフがすぐにかけつけ対応できます。

非常用電源

培養室内のインキュベーターは、災害などによる急な停電への対策として、クリニック内の非常用電源に繋げています。そのため停電と同時にインキュベーターの電源が落ちることはありません。即座に電源が復旧し、庫内の状態を維持したまま培養を続けることができます。

保冷庫

培養液などの試薬類は温度管理が厳密な薬用冷凍冷蔵庫で保存しています。この冷蔵庫は庫内の温度を9点測定しており、適切に2℃~8℃に収まる温度分布を実現しており、庫内温度は安定して保たれています。またログ機能も搭載されており、温度・警報が記録されます。