「二人目不妊」とは、過去に1回以上妊娠経験のある方がその後妊娠しない状態のことです。第一子が自然妊娠の場合でも、二人目不妊となることがあります。ここでは、二人目不妊の原因やその治療方法、二人目不妊特有のお悩みについて解説します。
二人目不妊とは?
「二人目不妊」は、医学的には「続発性不妊」と呼ばれ、過去に1回以上妊娠経験のある方が、その後妊娠しない状態であることを指します。なお続発性不妊の定義では、流産も過去の妊娠に含まれます。
一人目を自然妊娠で授かった場合でも、二人目不妊となることがあります。
そもそも不妊の定義は「妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しない状態」であり、ここでいう「一定期間」は約1年とされています。ただし初産年齢が35歳以上の場合、二人目不妊においては1年を待たずに約6ヶ月で検査や治療を受けることがおすすめするケースが多いです
また二人目不妊では
・家事や育児、仕事、不妊治療の両立が大変
・「2人目はまだ?」という周囲からのプレッシャーを受ける
・不妊の悩みを抱えるグループの中では「1人目がいてぜいたくな悩み」と思われそうで、悩みを相談できない
といった、二人目不妊特有の悩みを抱えることが多くあります。
二人目不妊になる原因は?
年齢による体の変化
第二子を妊娠しない原因のひとつは加齢です。加齢により、男女ともに妊孕性(にんようせい:妊娠する力)は低下します。
女性の場合は、加齢による卵子の質の低下により、女性の妊娠率は25歳前後をピークに低下し、35歳を過ぎるとそのスピードが加速、40歳を過ぎると急激に低下します。
男性の場合も、加齢は精子運動率や精子正常形態率に影響を与えるといわれています。
近年は晩婚化により第一子を出産する年齢が上がり、それに伴い第二子を希望するときにはすでに高年齢になっているカップルが増えています。
一人目出産時の影響
一人目の出産が帝王切開の場合、帝王切開瘢痕(はんこん)症候群によって不妊症を引き起こすことがあります。
帝王切開瘢痕症候群は、帝王切開の時に縫合した子宮の筋肉や粘膜がうまく着かず、その隙間に溜まった粘液や古い経血が受精卵の着床を邪魔する原因になります。
また第一子出産時に癒着胎盤があった場合、子宮内膜が薄くなり着床しにくくなるといわれています。
セックスレス
家事や育児、仕事に追われ夫婦の時間をとれず、性交渉の機会が少なくなるカップルは多く、それによって妊娠の機会が減少します。
二人目不妊の検査タイミングは?
思い立ったときが検査のタイミングです。早めに医療機関を受診し、不妊の検査を受けることをおすすめします。特に、高年齢(35歳以上)の場合は、卵巣機能の低下により妊娠できる残りの期間がすでに限られています。第二子の妊娠を望むカップルは、早めに産婦人科医に相談しましょう。検査内容は、一人目の不妊の場合と多くは変わりません。
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二人目不妊の治療について
タイミング法
タイミング法とは、性交渉をもつべきタイミングを医師が指導することで妊娠を目指す方法で、不妊治療の中では身体的、金銭的負担が少なく自然妊娠に近い方法です。一般的なタイミング法は健康保険が適用されます。
人工授精
人工授精とは、排卵の時期に合わせて子宮の入口からカテーテルを挿入し、子宮内腔へ処理された精液を直接注入する方法です。採卵等は必要ないため、自然妊娠に近く女性の身体への負担が少ない不妊治療です。一般的な人工授精も健康保険が適用されます。
体外受精(c-IVF) / 顕微授精(ICSI)
体外受精は高度生殖医療のひとつで、卵巣で発育した卵子を体外に取り出し、精子と受精させる治療です。受精方法は2種類あり、体外受精(Conventional-IVF:c-IVF)と顕微授精(ICSI:Intra Cytoplasmic Sperm Injection)に分けられます。
IVFは卵子と精子を同じ容器の中に入れ、精子自らの力で受精させる方法で、ICSIは顕微鏡を使って形態や運動性が良好な精子を選択し、卵子の中に細い針で注入する受精方法です。
体外受精の保険適用には年齢・回数制限があり、これは二人目不妊の場合でも同様です。
初回の治療開始時点の女性の年齢 | 保険適用の回数の上限 |
---|---|
39歳以下の方 | 1子ごとに、通算の「胚移植」回数6回まで |
40歳~42歳の方 | 1子ごとに、通算の「胚移植」回数3回まで |
43歳以上の方 | 保険適用にならない |
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よくある質問
Q.病院へは子連れで通院しても良いでしょうか?
はい、トーチクリニックでは子連れでの通院が可能です。
ただし処置や手術が必要となる日には、必ず治療を受けるご本人以外の大人の方を同伴の上でご来院ください。
Q.2人目を希望していますが、いつ頃から受診できますか?
不妊かな?と気になったらすぐ、受診していただいて構いません。
ただし、授乳中は多くの薬が使えないため、本格的な治療を始めるなら授乳期間が終わってからが良いといえます。